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傷病(補償)年金

1 傷病(補償)年金

業務災害・通勤災害による傷病が,療養を始めてから1年6か月が経っても治らず,一定の身体障害が残ったときには,労働者に対して,年金として,傷病補償年金(業務災害の場合)または傷病年金(通勤災害の場合)が支給されます。

その際,労働基準監督署長の職権による決定で,休業(補償)給付から傷病(補償)年金に切替えが行われます。

療養開始後1年6か月を経過しても傷病が治っていないときは,「傷病の状態等に関する届」(様式第16号の2)の提出を求められるので,1か月以内に記入して労働基準監督署長に提出します。

2 傷病(補償)年金の支給

また,療養開始後1年6か月を経過しても傷病(補償)年金の支給要件を満たしていない場合は,休業(補償)給付が継続しますが,毎年1月分の休業(補償)給付を請求する際に,「傷病の状態等に関する報告書」(様式第16号の11)を併せて提出して審査を受けます。

①療養開始後1年6か月を経過し,その負傷または疾病が治っていない場合で,

②その負傷または疾病による障害の程度が傷病等級表の傷病等級に該当する場合には,

該当することとなった月の翌月分から傷病(補償)年金が支給されます。

傷病等級表の第1級から第3級に該当すると,等級に応じた金額が年金として,年に6回,偶数月に前2か月分が支給されます。

3 その他の支給

傷病等級に応じて,傷病(補償)年金の他に,「傷病特別支給金」(各傷病等級に応じた一時金)と「傷病特別年金」(算定基礎日額をもとに計算される,各傷病等級に応じた年金)も支給されます。

算定基礎日額とは,原則として,業務上または通勤による負傷や死亡原因である事故が発生した日または診断によって病気にかかったことが確定した日以前1年間にその労働者が事業主から受けた特別給与の総額(算定基礎年額)を365で割った額です。

特別給与とは,給付基礎日額の算定の基礎から除外されているボーナスなど3か月を超える期間ごとに支払われる賃金をいい,臨時に支払われた賃金は含まれません。

特別給与の総額が給付基礎年額の20%に相当する額を上回る場合には,給付基礎年額の20%に相当する額が算定基礎年額となります。

ただし,150万円が限度額です。

傷病(補償)年金 傷病特別支給金 傷病特別年金
支給方法 年金 一時金(定額) 年金
第1級 給付基礎日額の313日分 114万円 算定基礎日額の313日分
第2級 給付基礎日額の277日分 107万円 算定基礎日額の277日分
第3級 給付基礎日額の245日分 100万円 算定基礎日額の245日分

4 他の給付との関係

傷病(補償)年金が支給される場合には,療養(補償)給付は引き続き支給されますが,休業(補償)給付は支給されません。

傷病等級の第1級から第3級のいずれかに該当している間は,年金を受け取ることができますが,第3級の状態よりも軽くなったときは,年金は打ち切られます。

傷病(補償)年金が受け取れない状態になっても,ケガや病気が治らず,療養のため仕事を休まないといけないときは,休業(補償)給付の請求をします。

5 傷病特別支給金との関係

傷病特別支給金と傷病特別年金は,「申請にもとづいて支給される」とされていますが,傷病(補償)年金の支給決定をうけた被災労働者に対しては,傷病特別年金も支給されます。

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