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障害(補償)給付

1 障害補償

業務または通勤が原因となった傷病が治ったときに,身体に一定の障害が残った場合には,労働者に対して,障害補償給付(業務災害の場合)または障害給付(通勤災害の場合)が支給されます。

労働災害上は,傷病が完治に至らなくても,傷病の状態が安定し,治療してもこれ以上改善しない状態を治癒(症状固定)として扱います。

2 支給内容

障害等級第1級~7級までの障害が残ったときは,等級に応じた金額が,障害(補償)年金,障害特別支給金,障害特別年金として支給されます。

年金は,支給要件に該当することとなった月の翌月分から支給され,毎年偶数月に6回,それぞれ前の2か月分が支払われます。

同一の災害により,既に傷病特別支給金を受けた場合は,その差額になります。

障害(補償)年金を受給することになった方は,1回に限り,年金の前払いを受けることもできます。

障害等級第8級~14級までの障害が残ったときは,等級に応じた金額を一時金で給付します。

障害(補償)一時金,障害特別支給金,障害特別一時金が支給されます。

様式第10号は障害補償給付(業務災害),様式第16号の7は障害給付(通勤災害)の用紙です。

障害特別給付は,障害補償給付等と同時に申請され,様式も同一となっています。

3 具体的金額

給付基礎日額とは,仕事中や通勤中の傷病が発生した日の直前3か月に支払われた賃金をその期間の暦日数で割った1日当たりの賃金額です。

ボーナスや結婚手当などの臨時に支払われる賃金は含まれません。

算定基礎日額とは,原則として,業務上または通勤による負傷や死亡原因である事故が発生した日または診断によって病気にかかったことが確定した日以前1年間にその労働者が事業主から受けた特別給与の総額(算定基礎年額)を365で割った額です。

特別給与とは,給付基礎日額の算定の基礎から除外されているボーナスなど3か月を超える期間ごとに支払われる賃金をいい,臨時に支払われた賃金は含まれません。


①第1級から7級の場合

障害(補償)年金 障害特別支給金 障害特別年金
支給方法 年金 一時金(定額) 年金
第1級 給付基礎日額の313日分 342万円 算定基礎日額の313日分
第2級 給付基礎日額の277日分 320万円 算定基礎日額の277日分
第3級 給付基礎日額の245日分 300万円 算定基礎日額の245日分
第4級 給付基礎日額の213日分 264万円 算定基礎日額の213日分
第5級 給付基礎日額の184日分 225万円 算定基礎日額の184日分
第6級 給付基礎日額の156日分 192万円 算定基礎日額の156日分
第7級 給付基礎日額の131日分 159万円 算定基礎日額の131日分

第8級から14級の場合

障害(補償)一時金 障害特別支給金 障害特別一時金
支給方法 一時金 一時金(定額) 一時金
第8級 給付基礎日額の503日分 65万円 算定基礎日額の503日分
第9級 給付基礎日額の391日分 50万円 算定基礎日額の391日分
第10級 給付基礎日額の302日分 39万円 算定基礎日額の302日分
第11級 給付基礎日額の223日分 29万円 算定基礎日額の223日分
第12級 給付基礎日額の156日分 20万円 算定基礎日額の156日分
第13級 給付基礎日額の101日分 14万円 算定基礎日額の101日分
第14級 給付基礎日額の56日分 8万円 算定基礎日額の56日分

4 後遺障害の内容

第1級

1 両目が失明したもの

2 そしゃく及び言語の機能を廃したもの

3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

5 削除

6 両上肢をひじ関節以上で失つたもの

7 両上肢の用を全廃したもの

8 両下肢をひざ関節以上で失ったもの

9 両下肢の用を全廃したもの

第2級

1 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの

2 両眼の視力が〇・〇二以下になったもの

2の2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

2の3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

3 両上肢を手関節以上で失ったもの

4 両下肢を足関節以上で失ったもの

第3級

1 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になったもの

2 そしゃく又は言語の機能を廃したもの

3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

5 両手の手指の全部を失ったもの

第4級

1 両眼の視力が〇・〇六以下になったもの

2 そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの

3 両耳の聴力を全く失ったもの

4 一上肢をひじ関節以上で失ったもの

5 一下肢をひざ関節以上で失ったもの

6 両手の手指の全部の用を廃したもの

7 両足をリスフラン関節以上で失ったもの

第5級

1 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になったもの

1の2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1の3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

2 一上肢を手関節以上で失ったもの

3 一下肢を足関節以上で失ったもの

4 一上肢の用を全廃したもの

5 一下肢の用を全廃したもの

6 両足の足指の全部を失ったもの

第6級

1 両眼の視力が〇・一以下になったもの

2 そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの

3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

3の2 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

4 せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの

5 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

6 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

7 一手の五の手指又は母指を含み四の手指を失ったもの

第7級

1 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になったもの

2 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

2の2 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度にったもの

3 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

4 削除

5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

6 一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指を失ったもの

7 一手の五の手指又は母指を含み四の手指の用を廃したもの

8 一足をリスフラン関節以上で失ったもの

9 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

10 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

11 両足の足指の全部の用を廃したもの

12 外貌に著しい醜状を残すもの

13 両側のこう丸を失ったもの

第8級

1 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になったもの

2 せき柱に運動障害を残すもの

3 一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指を失ったもの

4 一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指の用を廃したもの

5 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの

6 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

7 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

8 一上肢に偽関節を残すもの

9 一下肢に偽関節を残すもの

10 一足の足指の全部を失ったもの

第9級

1 両眼の視力が〇・六以下になったもの

2 一眼の視力が〇・〇六以下になったもの

3 両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの

4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの

6 そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの

6の2 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

6の3 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの

7 一耳の聴力を全く失ったもの

7の2 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

7の3 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

8 一手の母指又は母指以外の二の手指を失ったもの

9 一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指の用を廃したもの

10 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失ったもの

11 一足の足指の全部の用を廃したもの

11の2 外貌に相当程度の醜状を残すもの

12 生殖器に著しい障害を残すもの

第10級

1 一眼の視力が〇・一以下になったもの

1の2 正面視で複視を残すもの

2 そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの

3 十四歯以上に対し歯科補てつを加えたもの

3の2 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの

4 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

5号 削除

6 一手の母指又は母指以外の二の手指の用を廃したもの

7 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの

8 一足の第一の足指又は他の四の足指を失ったもの

9 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

10 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

第11級

1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

3 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

3の2 十歯以上に対し歯科補てつを加えたもの

3の3 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの

4 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

5 せき柱に変形を残すもの

6 一手の示指、中指又は環指を失ったもの

7 削除

8 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの

9 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

第12級

1 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

2 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

3 七歯以上に対し歯科補てつを加えたもの

4 一耳の耳かくの大部分を欠損したもの

5 鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの

6 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

7 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

8 長管骨に変形を残すもの

8の2 一手の小指を失つたもの

9 一手の示指、中指又は環指の用を廃したもの

10 一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったもの又は第三の足指以下の三の足指を失ったもの

11 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの

12 局部にがん固な神経症状を残すもの

13 削除

14 外貌に醜状を残すもの

第13級

1 一眼の視力が〇・六以下になったもの

2 一眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの

2の2 正面視以外で複視を残すもの

3 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

3の2 五歯以上に対し歯科補てつを加えたもの

3の3 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

4 一手の小指の用を廃したもの

5 一手の母指の指骨の一部を失ったもの

6 削除

7 削除

8 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの

9 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失ったもの

10 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの

第14級

1 一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの

2 三歯以上に対し歯科補てつを加えたもの

2の2 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

3 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

4 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

5 削除

6 一手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

7 一手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

8 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの

9 局部に神経症状を残すもの

10 削除

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